ここからワンダーランド

毎回テーマに沿って4人が思い思いに綴ります

ぎゅっと抱きしめ新世紀への冒険が始まる(あやや)

それは中学1年生の夏休みだった。冷蔵庫から出して来たアイスは、外気に触れたそばから溶け出し、私は液体になり始めた部分から吸い上げる様に口をつけた。扇風機から押し流される空気を上半身で浴びながら、ビデオデッキの中に入っているテープを巻き戻す。30分の番組を巻き戻す為に要する時間は大体どれぐらいか、感覚だけを頼りに再生ボタンを押して、ちょうど番組開始の場面が映し出された時の嬉しさを、今の子供たちは知らないのだろうか。毎週欠かさず録画をしていたNHKPOP JAM」を再生しようとしていた。モーニング娘。を始めとしたハロープロジェクトの面々が毎週何かしらの形で出てくるので、それを見る為に録画していた。その日はちょうどシャッフルユニットの登場だっただろうか。

番組の最後の方で司会者であるKinKi Kids堂本光一さんが、自分がプロデュースしたジャニーズJr.のユニットを紹介し始めた。黒い衣装を着て出てきた5人組。中には明らかに日本人ではないメンバーもいる。堂本光一さんからユニット名の由来や、コンセプトを紹介された5人はスタンバイの為にステージへ急いだ。そしてアナウンサーが曲紹介をする。たちまち始まってしまったパフォーマンスは、夏に見るに相応しいお祭り騒ぎだった。激しいアクロバットを披露する者、身体を懸命に動かし踊る者、黒い衣装を着た5人以外にも沢山の少年たちがステージの上で舞っていた。そしてサビで中心に出てきた男の子の瞳の煌きにギュッと心臓を搾り取られた。かっこいい。何だろうこの胸の高鳴りは。恋のときめきがどんなものであるかくらい、中学1年生でも知っている。けれどもそれと同類にして語るには、少し何かが足りていない。一番近いものが何であるか、考えてみるものの、適当な感覚が思い浮かばない。けれどもわくわくしてしまう衝動がどうにも抑えきれず、そのビデオテープを私は何度も繰り返し巻き戻しては再生した。

それが私のジャニーズとの出会いだった。当時私が見て一瞬にして釘付けになったグループは、期間限定ユニット「I☆N☆G☆進行形」だった。メンバーのほとんどが現在は退所済みであり、どちらかと言えば当時バックで踊っていたメンバーの方が、現在人気メンバーとしてジャニーズ事務所に残っていたりする。その時のビデオテープはまだ家に残していて、1年に数回思い出して再生しているが、何回見てもあの当時の高揚感が蘇るから不思議である。


と当ブログの説明もせずに、突然語り始めてしまったが、今回id:haruna26さん、id:ashiyakomineさん、id:zerokkumaさん、と一緒にブログを始めることになった。同じテーマを掲げ、それに対して各々が好きなように文章を書いていく予定。そして第1回のお題は「自分のこと」。所謂、自己紹介である。恐らくジャニヲタというアイデンティティが一番手前にあると思われているであろう私は、ジャニヲタになったきっかけを綴ってみた。実際にジャニーズの奥底を知る「ヲタク」になったのは、これよりも数年後の話にはなるが、一般視聴者として見ていた時よりも格段に熱が上がったのはこの時にあたるので、私はここを自分のジャニヲタライフのスタート地点としている。

「自分のこと」を語るのは就職活動でも格別苦手だった。「自分の長所と短所は?」なんて聞かれると、特に困った。長所は語れば語る程、自惚れているような気がして来るし、短所は語れば語る程、駄目人間アピールにしかならないような気がして、そんな自意識過剰なところが長所であり短所だったのかもしれない、と今になって思う。しかし今現在もこうして「自分のこと」というテーマで、キーボードの上で静止してしまった指を見つめている程には、成長していない。自分の話をしているよりも、誰かの話をしている方がずっと楽しいから、アイドルの話を綴っているのかもしれない。スタートエントリーでありながら、早速ぐにゃりと曲がった内容で申し訳ないが、きっと他の3人は興味深い自己紹介を展開してくれると期待しながら(ハードルを上げるのはトップバッターの特権)、これにて私の1本目の投稿は終了とさせて頂く。

第2回以降のお題についてリクエスト等あれば、@へリプライ下されば検討致します。そして、引き続き本家「それは恋とか愛とかの類ではなくて」も宜しくお願い致します。moarh.hatenablog.jp